確認の意味を込めて、
まず先に狩猟鳥獣と、その他知っておくべき事の解説をします。
日本に生息している鳥類は約550種で、
ほ乳類約80種です。
狩猟対象になる鳥類は28種、
ほ乳類は20種です。
[ad#upper]
[ad#middle]
狩猟鳥獣は1日当たりの捕獲数が制限されている。
環境大臣による捕獲制限
・ 合計して1日5羽(網の場合、期間中で200羽迄)
マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、
キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ
エゾライチョウ
奈良県知事による捕獲制限の緩和
旧奈良市を除く地域で無制限
(銃猟のみ雄は1頭以内)。
[ad#middle]
非常に大事な“輪の直径規制の解除“について
奈良県の北部地域にはツキノワグマは通常生息していないので、
くくり罠の直径12cm以下規制が解除されている
※ここでいう直径とは、短径のことです。

対象地域は、下記の通り。

※ザックリとした境界はこの様になっています。
緑の部分が制限解除地域です。
・五條市(吉野川以北)、
大淀町、吉野町(吉野川以北)、
東吉野村が境界に接しています。
狩猟場を探す上で、
気になる方には気になる国有林・官行造林地。
国有林・官行造林地で狩猟を行う場合は、
入林届けを提出する必要があります。
ま、私は行ったことがありませんがね。
噂では中々許可が下りないそうで…
[ad#middle]
知っておくことの最後。
狩猟をする際に一番ネックになる、“土地所有者の承諾”です。
前提として、
垣・柵などで囲まれた土地、
作物のある土地で狩猟や有害鳥獣捕獲をする場合は、
土地所有者(占有者)の承諾が必要。
では、
垣・柵・作物のない土地ではどうなのか?
鳥獣法では、
上記以外で他人の土地での狩猟を規制する規定は特に無い。
だからといって、
垣・柵・作物が無い土地であっても、
他人の土地に立ち入って自由に狩猟をする権利が法的に認められているわけではない。
一般的に言われる不法侵入ですが、
正当な理由がなく、他人の土地・住居・建造物などに侵入すること(デジタル大辞泉)とあります。
なお、法的には“住居侵入罪(刑法第130条)”が該当します。
【条文の内容は】
正当な理由がないのに、
人の住居若しくは人の看守する邸宅、
建造物若しくは艦船に侵入し、
又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、
3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。とあり、
住居侵入罪と、
不退去罪の2つが含まれています。
以上の住居・邸宅・建造物または艦船に該当しない駐車場(囲まれていない)、
空き地、田畑に入っても、
住居侵入罪は成立しません。
ですが
踏み荒らしや汚損があれば器物損壊罪、
正当な理由無く退去措置に反すれば不退去罪、
相手の業務を妨害することになれば業務妨害罪、
立入禁止の表示があれば軽犯罪法第1条第32号違反に問われうる。
従って、山は人の居住・看守する建物・船舶ではなく、
但し、
その山に進入禁止の立て札等がされている場合は、
軽犯罪法第1条32項が適用される可能性があります。
(軽犯罪法第1条32項:入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなく入った者は拘留又は科料(1000円~9999円)に処する。 )
補足ですが、侵入したの(山)が他人の家の庭と言えるようなところであれば、住居の一部と推定されるので刑法130条に該当する可能性はあります。
※ここでいう正当な理由とは、
違法性阻却事由(刑法35条~37条)のみだと考えています。
・正当行為(刑法35条)
法令によって定められた行為・正当業務(警察官の取り締まり等)
・正当防衛(刑法36条1項)
急迫不正の侵害に対し、自己または第三者の権利を守るために行った行為
・緊急避難(刑法37条1項)
自己または第三者に対する現在の危難を避ける為、侵害以外に対して行った避難行為
・自救行為(超例外:原則自力での救済は行えません)
権利を侵害された者が自力でその権利を回復すること。
・被害者の同意
同意があれば、そもそも….
これら以外は、
正当な理由として扱ってもらえないと考えて良いでしょう。
因みに、
他人の所有地(占有地)において、
地権者に不利益を与える、
もしくは当事者が不当な利得を得た場合は、
民事的な責任を問われることは十分あり得ると思います。
[ad#middle]
<窃盗>
次に、山にいる鳥獣を地権者の許可無く捕獲するのは、
窃盗に該当するのではないか?
この疑問を解消します。
まず、イノシシ・シカ・昆虫の所有権は誰が持っているのか?
普通に考えれば、山主さんとか地権者ですよね?
でも実は、誰でもありません。
順を追って説明しますと、
まず、動物は法律に基づけば物(動産)になります。
因みに土地は動かないので、不動産です。
で、誰も所有していいない野生の猪・鹿・昆虫等は無主物に分類されます。
無主物とは、所有者がいない物を意味します。
民法第239条1項には、
所有者のない動産(無主物)は、
所有の意思をもって占有することによって、
その所有権を取得すると書いてあります。
つまり、
野生の猪・鹿等は山主・地権者の物ではなく、
捕まえた(所有の意思を持って占有している)人のものになります。(無主物先占)
但し、
山菜などは土地に付合(ひっついている)ので、
所有権は土地の所有者に帰属します。
あ、そうそう。
誰かが捕獲した猪・鹿は、
無主物ではないので盗むのは犯罪です。
<器物損壊>
序でに、器物損壊(器物破損)についても説明を加えておきます。
多分器物損壊になるケースとしては、
・山主・地権者が猟師の罠を壊してしまう。
の2つがパッと思いつくと思います。
もし猟師が誤って、
木々を傷つけたり工作物を壊してしまった場合、
刑事責任と民事責任を負います。
刑事責任は、刑法261条(器物損壊罪)。
刑法261条(器物損壊罪)
・他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処す。
民事責任は賠償責任です。
民法709条 (不法行為による損害賠償)
・ 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
なお、猟師が仕掛けた罠を、
山主・地権者が猟師に断り無く勝手に撤去してしまった場合についてですが、
正直けっこうややこしく、現在調査中です。
但し、
罠が壊された場合は賠償責任を負う可能性が高いと思います。
以上簡単に説明しましたが、
より詳しい話が聞きたいなら、県・市役所に聞くか、弁護士さんに相談した方が良いと思います。
尚、散々説明していますがすべてが正しいものとは限りません。
不安な場合は狩猟関係の法律を専門にしている方をあたることをオススメします。
<参考URL>
住居侵入罪 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%8F%E5%B1%85%E4%BE%B5%E5%85%A5%E7%BD%AA空き地の不法侵入について教えてください。 – Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12128003712無主物先占 – Wikipedia <
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1%E4%B8%BB%E7%89%A9%E5%85%88%E5%8D%A0器物損壊罪 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%99%A8%E7%89%A9%E6%90%8D%E5%A3%8A%E7%BD%AA民法第709条 – Wikibooks
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC709%E6%9D%A1
[ad#lower]